土屋鞄製造所は米国のバイオテック企業、ボルト・スレッズと資本業務提携し、ボルト・スレッズが開発したキノコの菌糸体から生まれたレザー代替素材「マイロ」を採用した国内初の新素材モデルを共同開発した。同社はボルト・スレッズに出資してマイロの素材開発・製品開発を共同で行う業務提携を結び、21年夏から新素材モデルの施策を続けてきた。新モデルはランドセル、かばん、小物などプロトタイプ6型。
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マイロはキノコの菌糸体の微細な繊維で、革のような柔らかな手触りと上質感のある風合いを実現し、加工によって柔軟性も持たせることができる。菌糸体は100%再生可能なエネルギーで稼働する垂直農法施設で生育され、生育に必要なものは水と空気とマルチング材(菌糸体の生育時に培地の表面を覆うもの)だけで、2週間足らずの短い周期で生育できるため、安定した供給も見込まれる。
プロトタイプはL字型のファスナー付きミニ財布、ランドセル、ブリーフ型のスクエアバッグ、フラットなスリムケース、マイロとナイロン「デイビス」を組み合わせたバックパック、ウォレットとして使えるショルダーバッグ。このうち財布は年内の発売を目指す。土屋鞄製造所渋谷店で6月9~30日に期間限定展示を行う。