服への情熱をシンプルに表現したい――02年にスタートし、ボヘミアンテイストとミリタリー要素をミックスしたスタイルで多くのファンに支持された「ゴア」でディレクターを務めた大西良夫さんが今年、新ブランド「アンブリーチド」(オハリコトウキョー)を立ち上げた。ゴアの特徴を引き継ぎながら、語れる生産背景や素材で勝負する。
(関麻生衣)
作り手の思いを価値に
ゴアはTSIホールディングスグループのウエイブインターナショナルが販売していたが、昨年11月に解散した。その後、多くの顧客からブランドを惜しむ声が集まり、大西さんがアンブリーチドを立ち上げ、6月から自社ECで販売を始めた。
大西さんは、競争やはやり廃りの激しいアパレルで16年続けられたゴアの原点を振り返り、ブランド名には「生成りのように何にも染まらず、ファッションへの情熱をまっさらなまま、ブランドと向き合いたい」との思いを込めたという。
再スタートを決めた当初は、世界の産地物を集積したセレクト業態を考えていたが、まずはゴアの顧客の声に応えるため、ブランドを始めることにした。作り手の意図や思いといった価値が今の市場には求められていると考え、ストーリーが伝わるような商品を揃えた。