小柄な男性向けに 「ユナイテッドアンツ」がデビュー

2020/10/26 06:30 更新


 「身長が低いためにぴったり合った服が見つからず悩んでいる人の不満を解消したい」――小柄な男性向けに特化したDtoC(メーカー直販)ブランド「ユナイテッドアンツ」が10月26日、クラウドファンディング(CF)の「キャンプファイヤー」でデビューする。身長162センチの大谷成代表自身の経験から、小柄な男性の悩みが多いパンツの販売からスタートする。

(大竹清臣)

 大谷代表は今秋にバッグメーカーを退職、独立して同ブランドを立ち上げた26歳。「低身長である自身も日頃から店頭でサイズの合う服を探しても、好みのテイストの物はなく、たまに古着店で見つかるぐらい。めったに出合わない分、見つかった時の満足度は相当高い」ことは理解していたため、「自分と同様に困っている人の役に立ちたい」というのが商品開発のきっかけとなった。ブランディング上でもニッチな市場を狙わなければ、存在感を示すことは難しいとの考えもある。

 ただ、大谷代表は「インフルエンサーでもない一般人の自分が立ち上げるブランドがファンを獲得するにはCFが有効」と判断した。さらに「無名のDtoCブランドがCFで支援の募集を開始しても反応がないのは当然」と考え、準備段階で潜在的ファン作りに着手した。

 まず事前に自身のインスタグラムのアカウントに対象者となりうる身長168センチ以下の男性をリポストし、小柄なメンズコーディネートを集めたコミュニティーを作った。フォロワーが500人集まった段階でブランドの公式アカウントに移行した。168センチに設定したのは小柄を強調するあまり、160センチ以下にすると市場規模が半分以下の10%未満に縮小してしまうからだという。認知度向上に向け、スタイリングの「ウェア」を活用するインスタグラマー13人に衣装提供し拡散してもらうなど協力態勢を整えた。

 第1弾となる「コガラパンツ」はフレアシルエット。小柄な男性特有の悩みとして、通常のフレアパンツを裾上げした際にひざ位置が合わずシルエットが台無しになることが多い。最初から小柄男性に合わせ、ひざ位置を少し上げた設定にすることで脚長効果もあり、悩み解消につながる。もちろん、股下や股上、太もも部分のサイズも調整してある。

 加えて、通常だとウエストの生地が余ってしまいがちな小柄で細身の人のために、後ろ側をゴム仕様にしてストレッチ生地を使うことで腰回りがすっきり収まるようにした。XS、Sサイズで黒のみ。価格帯は「多くの人に届けたい」との思いから、高校生・大学生でも手に取りやすいリーズナブルな9000円に設定した。

フレアなシルエットがきれいな「コガラパンツ」

 CFでの目標は、まず50人に購入してもらうこと。納品のタイミングである1月中旬以降には同じシルエットのジーンズやテーパードパンツも企画する予定。着丈や袖丈を小柄用にしたビッグシルエットの長袖シャツも計画中だ。今後はファンのリアルな声を企画にフィードバックするためにも期間限定ショップの開設などイベントを通じたリアルな体験、直接の交流などを定期的に開く予定だ。将来的には「東南アジアの同じ悩みを抱えた人たちにも共感の輪を広げたい」としている。

「自分と同様に合う服が見つからず困っている人の役に立ちたい」と大谷代表


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