ユニセックスの革靴「ユードット」 カスタムオーダーで再出発

2021/06/02 10:59 更新


浅草の職人が作っていることを発信していきたいと中川社長(中央)

 浅草の革靴メーカー、ヴァーブクリエーションは今春、ユニセックスの「ユードット」を、配色を選べるカスタムオーダーとして再スタートした。近隣の企業から材料を仕入れ、浅草かいわいで生産する機動力を生かし、受注から4週間で納品する。自社ECで販売し、卸売りにも融通を利かせて取り組む。

 11年に始めたユードットは、一定の厚みのある革を一枚仕立てにしたスマートなシルエットが特徴。コルクを融合したラバーソールによる柔らかな履き心地も魅力だ。昨年までは既成靴を百貨店で販売し、専門店への卸売りにも取り組んできたが、「小ロット生産できる強みを生かし、自分だけの一足を楽しんでもらいたい」(中川宏明社長)と、カスタムオーダーシューズとして再出発した。自社では、型紙の制作から、製甲、底付けと靴作り全ての工程を手掛ける。ブランドを通じ、世界でも有数の靴の街・浅草で作ったという発信を強める。皮革の加工や協力工場での生産を含めて「半径10キロ圏内の工場の職人が作っている」製品価値を、ECサイトやSNSでアピールする。

 現状で扱っているモデルは22型。皮革は、ヘアリーカーフ、エナメル加工やメタリック加工などを含めて28色を扱う。モデルによって異なるが、ローファーは最大4色の組み合わせを楽しめる。ハトメやファスナー、中敷きも複数の選択肢がある。基本の小売価格は1万6000~2万4000円。アップチャージで厚めのタンクソールなどに変更することも可能だ。

 卸売りは、小売店に商品サンプルを最大2週間まで無料で貸し出す。店のオリジナルカラーの既成靴として注文してもらうほか、2週間で来店客に選んでもらうカスタムオーダーの催事を開くことが出来る。「1足から注文を受け、在庫を持たなくて済む」ことが大きな強み。貸し出しのセットは、1モデルにつき4種類の配色サンプルと、試着用で最大8サイズ(21~28センチ)を揃えている。どのモデルもシーズンを問わずに受注生産し、毎月10日、20日、末日を受注の期日として、4週間を目安に納品する。ECは6月初旬にスタートする予定だ。

エナメル加工やメタリック加工など28色の革から選んで自分だけの1足に


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