《視点》産地体験

2019/06/07 06:23 更新


 10連休だった今年のゴールデンウィーク。関西空港では、期間中の出入国数が過去最高を記録した。多くの観光地がにぎわいを見せるなど、そこでしかできない体験に対する関心の高まりがうかがえる。

 先日、兵庫県西脇市で開かれたイベント「播州織博覧会」にも一般消費者を中心に6000人という多くの人が訪れていた。消費者にとっては、BtoB(企業間取引)向けの一般に流通していない生地を買えるチャンスであり、中には「機屋の職人さんと話す機会が楽しみで来ました」という人も。ゆかたを着て西脇の街内を歩く若い女性の姿も見られるなど、来場者は思い思いにイベントを楽しんでいる様子だった。

 知らない場所を訪ねるのはいつでもワクワクするものであり、消費者にとって、まだ接点の少ない繊維産地だからこそ、非日常的で、より魅力的に映るのかもしれない。SNSが発達した昨今、消費者への認知拡大は決して無駄にはならないはずだ。消費者目線でまた行きたくなる産地とはどんなものなのか、そういった観点から産地の取り組みを考えてみても面白いかもしれない。

(騎)



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