《視点》サウナにはまる

2019/10/16 06:23 更新


 友人がサウナにはまっている。サウナに入り、水風呂へ直行、そして休憩。それを数回繰り返す。水風呂に浸かった時の「〝キマる〟(頭がスッキリさえわたる)瞬間がたまらん」と、サウナへの出費を重ねている。そういえば、土色だった友人の顔色が、健康的な肌色になってきた気はする。

 生き生きとした友人の表情を見て、服でこれほどはまっている状況って作れないものかと考えてみた。デザインにはその力がある。優れたデザイナーが固有の感性で消費者を魅了してきた例はたくさんある。

 意外に思いつかないと思ったのが着心地。素材の心地良さがフォーカスされることは増えたが、着心地を大きく左右するパターンは構成要素の一つで、それが大きく注目されることはほとんどない。その証拠に、デザイナーは一般の消費者が知ることはあっても、パタンナーを知ることはない。

 先日、パターンメイキング専門企業を取材し、「デザインのように、パターンも選ばれるように存在価値を上げたい」と語っていたのが印象的だった。今一度、着たらはまってやめられない服作りの開発と、効果的な訴求の仕方を本気で考えてみてはどうか。

(嗣)



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