《視点》餃子屋閉店で思うこと

2020/08/28 06:23 更新


 自分史上で一番の老舗餃子(ぎょうざ)屋が閉店していた。閉じられたシャッターに貼られたあいさつ文には、高齢化と専用機械の老朽化が理由としてつづられ、「コロナを乗り越えた矢先でしたが、老いには勝てず」とあった。

 日本経済は企業数の99%、雇用の約70%を占める中小企業・小規模事業者が支えているといわれ、政府はこうした事業者の事業承継を重要課題としている。中小企業庁によると、「今後10年間に平均引退年齢の70歳を超える経営者約245万人のうち、半数以上は事業承継の準備ができていない」という。そのうち約半数は後継者未定で、さらにその半数は後継者が見つからなければ黒字廃業すると指摘している。

 事業承継には後継者難、税制、経営者保証といった障壁があるとされ、政府はこの間、事業承継の円滑化を狙った施策を打ち出したり、法制化を急いだりしている。ところが、思いもよらぬコロナ禍で事業承継の準備が後手になり、廃業に追い込まれる事業者も増えるのではないか。

 顧客に愛され、利益を出し、雇用も生む事業者が廃業するのは経済的にも社会的にも損失だと思う。引き継げる条件が揃えば引き継ぎたいと願う経営者が、事業承継を選びやすくなるよう実態に合った支援策の早急な整備を望む。

(嗣)


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