先日、10年以上探していた本をネット検索で見つけることができた。小学生時代に読んだSF短編集で、その中の一編を数年に一度読み返したくなるが、タイトルがわからず諦めていた。そんな長年の謎が、探し方を変えれば、わずか15分で解けたのだ。
これまで見つからなかった理由は「ネットで詳細にキーワードを入力して調べても、全く違う情報が大量に出てくる」から。ふと最近知った検索コマンドを使ってグーグルで探してみた。すると2、3語のキーワードだけで、余計な情報を取り除き、見覚えのある表紙の画像にたどりつけた。書評サイトに登録されたものだった。
最近取材したファッションディレクターによれば、「感度の高い若者は今、ティックトックで情報を集めている」という。今やツイッター、そしてインスタグラムでさえ古い。若者の感性の鋭さに驚くが、それぞれ集めやすい情報は違う。各SNS、そしてブラウザー系の検索エンジンに優劣はない。目的によってサービスを選び、使いこなす発想が重要だろう。
コロナ下では、オンライン活用がいっそう進み、医療や経済的支援といった生活に直結する情報が錯綜(さくそう)した。世代を問わず、誰もが情報を取捨選択する情報リテラシーを必要としている。もはや日常の一部である検索だが、今一度見直したい。
(稜)