流通業の決算と併せての中期経営計画の発表が相次いだ。その中で、〝イオン生活圏の創造〟が象徴的だが、SCやGMS(総合小売業)に地域インフラの機能を持たせようという動きが広がっている。
少子高齢化、人口減といった課題は地方で深刻なことから、その地域で最も人が集まる大型施設への期待が高まっている。コロナ禍においては、人が集まる場所だから敬遠されたこともあった。しかし、なじみがあって行きやすいところだから、ワクチン接種場所として提供する申し出は、各自治体から歓迎されている。
ウイングベイ小樽は隣接する大型病院と提携、地域を〝ウエルネスタウン〟にする取り組みの窓口を設けるだけでなく、持っている体験型の機能を活用、本格的な再生を目指す。
これまで、減った客数を補うため自治体の一部機関を導入するといったことはあったが、今回強調されているのは、大型施設が支援されるのではなく、疲弊した地域に不足しがちな社会資本を補う側に回ること。自身が商圏の持続可能性を高める形といえる。
もちろん収益性の確立は欠かせない。地域インフラとしての役割がどう事業につながるか注目したい。
(光)