日本ショッピングセンター(SC)協会によると、21年に開業したSCは24と少なくなっており、22年の計画も31と低水準だ。足元、コロナ禍でテナントの出店意欲が減退していることもあるが、日本を覆う少子高齢化、人口減のもと、新たな施設が作りにくいのはコロナが終息しても変わらないだろう。
一方で、昨年と今年のオープン施設にはスクラップ・アンド・ビルドなどによるものが少なくない。一から開発するのが難しくなるなか、実績のある既存の立地の価値を生かそうというものだ。
もちろん新たにビルドする施設は、スクラップしたのと同じようなものではない。テナント揃えは当然のこととして、商業以外との複合化などが進んでいる。共用部を地域コミュニティーの拠点にしようとすることも一般的になった。貸す床が収益源だが、集まる場として地域に受け入れられることが優先される。
同じくSC協会によれば昨年、閉鎖などしたSCは37だった。こちらは高水準だが、このうち少なくとも20は商業施設として再開される見通しという。ここでは集計されない業態転換もあり、既存立地の価値を新たなあり方で生かす取り組みが開発の柱になっている。
(光)