今秋冬アウターをどう展開するのか、アパレルメーカー各社とも大詰めを迎えている。昨年はアウター、特にコートの動き出しが遅く、12月に入っても鈍かった。年明けに冷え込んだが盛り上がりに乏しく、消化するためにセールにシフトする動きも目立った。
コロナ禍後にコート需要が戻ってくるだろうとの期待はすでにしぼんだ。今年はコートを大幅に減らすところも多い。冬場の寒い時期もコートに依存しないMDの工夫が求められるが、冬のコート売り上げの多いブランドは売り上げ確保が大きな悩みだ。
一方、春物商戦もより難しくなっている。3月初旬までは寒いが、その後は三寒四温を経て、4月後半からは初夏となる。各ブランドは総じてオケージョン企画に寄っているが、日常着をどう提案するかが難題だ。
コートに限らず、軽衣料もそうだが、慎重に服を選んで大事に着るという消費者の傾向が強まっている。着たくなる、欲しくなるような消費者の選択眼にかなう商品の開発が課題になっている。
(武)