コミュニケーションは愛情表現だと何冊かの本で読んだ。インスタグラムで様々な情報を入手でき、LINEで遠くに住む友人と瞬時に会話できる時代。しかし、便利さに頼りすぎてはいないだろうか。対面と電話やチャットとでは残る印象がまるで違う。言葉の真意や本音は、表情や声音から読み取れるもの。顔を合わせることで互いの理解が深まり、愛情や信頼が育まれるのでは。
話は変わるが、テキスタイル関連の取材に行くと最近、「産地間連携」という言葉を頻繁に耳にする。今春、産地企業を中心とした合同展が都内で行われ、きょうから新たな総合展「東京テキスタイルスコープ」が開かれる。いずれの展示会でも、産地を越えた協力が共通意識。高齢化や廃業を背景に、産地同士で技術や情報を共有し、産業を活性化していこうとの思いが強まっているようだ。
産地が手を取り合うためにリアルな交流が一層重要になるだろう。各地のイベントや合同展がその役割を担う。デザイナーやアパレルメーカーも輪に加わり、一つの場に作り手が集い対話を重ね、産業が活気づくことを願いたい。
(麻)