オンラインサービスは気軽さも必須条件だ。ユーザーのクリック・タップ回数や情報入力といった操作性に加え、出力データの精度に左右される所要時間が課題になる。体験と手間のバランスの取り方が重要だ。
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雰囲気を楽しむ
AI(人工知能)ベンチャーのデータグリッド(京都市)が開発したバーチャル試着サービス「キテミル」は、簡単で気軽に試着が楽しめる操作性にこだわった。実店舗は試着までのハードルが高く、何着も試すことに抵抗がある人が多いが、同サービスはEC上で着せ替え感覚で買い物できる顧客体験価値が向上できるとしている。
スマートフォンで撮影したユーザーの写真をアップロードすると、約10秒でAIが商品の試着イメージを生成して表示する。サイズは反映されないため、体形に合うか否かではなく、デザインや色が似合うかを試す。モデル画像やボディーのささげ(採寸・撮影・原稿作成)画像があれば適用できるため、ブランド側が3Dの洋服データを作成せずに済む。21年秋に子供服のF・O・インターナショナルで実証実験し、現在はオンワードグループ公式EC「オンワード・クローゼット」の婦人服で試験的に導入している。