ニューヨーク・ブルックリンで8月末の2日間、日本のポップカルチャーを紹介するイベント「ワクワク+NYC」が開催された。直販会場には「6%ドキドキ」やニューヨークにあるロリータファッション専門店「トーキョーレベル」などを含む68社が出展。隣接した屋外スペースには、日本食レストランも並んだ。
期間中、ファッションショーも3回行われ、毎回長蛇の列ができた。モデルは公募で集めた一般人。「プトマヨ」と「ベイビーザスターズシャインブライト」は、ショーの後にデザイナーが服について説明し、ベストモデルを1人ずつ選んで商品をプレゼントする趣向。プトマヨはデザイナーの長谷川俊介さんが「上級者向けの王子系ケープ」と説明したルックに、会場から大きな拍手がわいた。
ベイビーザスターズシャインブライトと「アリス&ザパイレーツ」は、「おとぎの国のアリス」にインスパイアされたトランプのモチーフを入れたドレスや、眠れる森の美女の飛び出す絵本をプリントしたドレスなど、日本でも未発表の新作を一部見せた。ベイビーザスターズシャインブライトの磯部明徳社長は、「パリの客は30歳くらいまでだが、ニューヨークは40代の客もいて高いものが売りやすく、ニューヨークの方がビジネスとして成り立つ可能性がある」と話した。
6%ドキドキを含む10ブランドが2体ずつ見せた「NHKワールド・東京アバブアンダーグラウンドファッションショー」には、FIT美術館のチーフキュレーターのヴァレリー・スティーレ教授とコスチュームデザイナー兼スタイリストのパトリシア・フィールド氏も来場した。
主催したエイジックス・インクの市原千香子社長は、ワクワク+NYCを開催した動機について、「ニューヨークのカルチャーイベントは、コミコン(米国版コミケ)とアニメフェスティバル(日本のカルチャーを中心に発信していたイベント)が合体し、日本カルチャーよりも米国のカルチャーの打ち出しが強くなってきた。主催もほとんど米国人で、日本人が主催しているものがない」と話す。来年も夏に開催したいという。(杉本佳子通信員)