帽子作りの面白さ伝えるウィーブトシ

2015/08/14 06:34 更新


 帽子作りや職人の面白さを伝えたい――帽子専門店「カシラ」を運営するウィーブトシは、職人の高齢化や相次ぐ帽子メーカーの廃業に危機感を持ち、物作りの体制を強化する。6月、東京・原宿の本社向かいに「デザインラボ」を新設した。兵庫・西宮の自社工場も増設する。

 今期(16年6月期)と来期は出店を控え、物作りの環境整備への投資に集中する。デザインラボは、デザイナーが増え、本社に併設していたデザインルームが手狭になったことから、移設して拡張した。オープンな空間で、11人のデザイナーが働く。

 増設中の工場は、ベレー帽を作る編み機の導入や染色のための排水整備などを行い、9月に完成する予定だ。「帽子文化を広めたい」との考えに基づき、OEM(相手先ブランドによる生産)や保有する約4000個の木型の他社へのリース業務も構想している。

 稼動時に5人だった工場のスタッフ数は、現在25人に増えた。新卒で入った社員もいる。今後も国内で物作りを続けるための投資を重視し、増設でさらなにレベルアップを目指す。

 すでに物作りの体制強化が実を結び、店頭での販売も好調だ。前期売上高は40億円を突破。品質とデザイン両面での商品力の向上が、既存店の底上げにつながっている。

会話しやすいよう、できるだけ仕切りを取っ払ってオープンな空間にした
会話しやすいよう、できるだけ仕切りを取っ払ってオープンな空間にし


この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事