ブルックリンで日本発サステナ商品のポップアップ(杉本佳子)

2022/11/24 06:00 更新


 ブルックリンでさまざまな日本の商品を販売している「ブルックリン・ビューティー・ファッション・ラボ」(BBFL)が、京都、倉敷、鳥羽のサステイナブル商品を集積した「サステイナブル・マーケット」を11月27日まで開催している。サステイナブルな商品をつくっていても単独では市場で埋もれてしまうという考えから、集団で見せることで「日本産のサステイナブル」への注目を集めようとしている。ニューヨークにいながらにして、「日本でこんなにいろいろサステイナブルな商品がつくられているんだ!」と思えるポップアップストアだ。1階で展示して、地下で販売する形式をとっている。

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 鳥羽は、靴下のつま先部分をカットした時に出る残布が産業廃棄物になっていることから、それをハンディキャップのある人たちに指編みの手法でつくったマフラーを販売している。イッポというブランドとBBFLとのコラボでつくった商品だ。左手のラックにかかっているマフラーのうち、真ん中の2本は色弱の人たちに自由に色を選んでもらってできた配色という。

 海洋に漂着したゴミをアップサイクルした素材でつくった素材はテーブルやピアス、ボールペン、ランプシェードに使われている。鳥羽発のスタートアップ、リマーレの商品だ。いったん形にした後、飽きたら回収して違う形のものをつくることが可能な素材で、循環型経済に繋がる。

 他には、さをり織りのランチョンマット、ハンディキャップのある人たちが描いた絵をプリントした財布、海草由来の成分と真珠の成分を入れた石鹸やバスソルト、マイクロプラスチックが検出されなかった塩を使ったキャンディ、バロック真珠のアクセサリーなどがある。

 京都は、和小物さくらによる、東レのウルトラスエードでつくった着物にも洋服にも合うバッグ、木を使ったバッグを紹介している。木を使ったバッグは、木の成長の過程で間引くために切られた間伐材を使ったものだ。

 洗濯しても元の形状に戻る絞りのエコバッグ、再生ペットボトルからつくった糸を使って西陣織の技術を使って織った布を使った服などもある。

 倉敷は、車の廃材を使っているタビ型のシューズが、オープン日早々注目されたという。

 他には規格外のデニムを使ったジーンズとジャケット、瀬戸内海の塩入りの石鹸、オーガニックのハーブと生姜やみかんの皮などを入れたバスソルトなどがある。規格外のデニムを使ったジーンズは、リサイクルされる時のことも考慮して、あえて後ろのレザーパッチをなくし、最低限の付属のみを付けている。

 とりまとめをしているサステイナブル・ジャパン事務局の松田友穂さんは、「日本企業のサステナは、SDGsやダイバーシティを強調する広報領域を脱しておらず、特に一般消費者向け事業において、まだまだ事業化できていないことが課題だと考えております」と語る。12月初めには、情報発信と北米向けイーコマースを兼ねた「サステイナブル・ジャパン」を本格始動する予定だ。商品情報に加え、日本の地域の暮らしのスタイルや暮らしの知恵なども伝えていく。来年1年かけて実証実験を行い、仮設とターゲットごとのインサイト抽出などを繰り返しながら、活動に生かしていく予定だ。

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89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ



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