「ユウショウコバヤシ」(小林裕翔)は、ラフォーレミュージアムで25年春夏のショーを単独で行った。
会場はピンクのチュールで仕切った小部屋、その前にはレースで手作りしたスタンドライトが設置されいる。甘く、シャビーなムードも漂う中で、ヒストリカルなエッセンスの入ったスタイルを見せた。バスト下をギャザーで切り替えたノースリーブドレスは、コード刺繍でかたどった花のモチーフが入る。足元はレースアップ仕様のハイソックスに機能的なスニーカー。小林らしいクラフト感あふれるワードローブを、クラシックな手法の装飾とともにドレッシーに表現した。
古びた印象のチェックのブラウスはサイドを曲線で切り替え、さりげなくボディーラインをかたどる。ビンテージ感のある刺繍のコットンに花柄刺繍のシースルー素材を切り替えたビュスティエ風ドレス。装飾性の高い素材、メリハリのあるシルエットによって、コレクションに多彩さが増した。インスピレーション源は、19世紀に書かれたゴシック小説『カーミラ』。
(須田渉美、写真=加茂ヒロユキ)