仮想試着アプリ「オルターム」の実証実験開始 返品減少、購入率向上へ

2022/02/22 06:26 更新


オンラインでバーチャル試着が体験できるサービス

 ゾゾネクストとソフトバンク、MNインターファッションは、オンライン上で服のバーチャル試着体験が可能なアプリ「オルターム」の実証実験を開始した。実験は2月21日から3月29日の30日間で、20歳以上の男性約400人を対象にオルタームを実際に使用するユーザーテストを行う。

(北川民夫)

 オルタームは、3Dバーチャルアバターを活用して、自宅やオフィスなどの多様な場所から、いつでもオンラインでバーチャル試着が体験できるサービス。ユーザーはオルタームにログインし、身長と体重を入力すると、入力データを基に3Dバーチャルアバターが生成される。次に画面に表示された、製品アイテムのアイコンをタップして選択すると、選択したアイテムが3Dバーチャルアバターに装着され、実際に試着した時と同様に着丈やサイズ感を確認できる。

 この実証実験のためにMNインターファッションが新たに立ち上げた紳士服ブランド「オルターム」のリアルのアイテム全14型(サイズはS、M、L)を販売し、バーチャル試着導入による購入率の変化を検証する。このバーチャル試着によって、実店舗に足を運ばなくても、オンラインで試着できる。また、オンラインショッピングの課題である、サイズの不一致や着用時の違和感による返品の減少、CVR(購入率)向上への貢献が期待される。

 オルタームの3Dバーチャルアバター生成およびバーチャル試着の要素技術はソフトバンクが開発し、採寸データに基づいたアバターの生成や、服のリアルタイムシミュレーションといった複雑な計算処理を、多くのユーザーが使用可能なモバイル環境で動作する技術を実現した。ソフトバンクが持つ要素技術を用いて、スマートフォン上で服をバーチャル試着できるアプリをゾゾネクストが開発した。MNインターファッションは新ブランドとしてオルタームを立ち上げ、実物商品となる服の企画や生産、さらにアプリ内で挙動するための服のデジタル3D化を担う。

 将来的には、バーチャル試着にAI(人工知能)技術を活用することで、顧客の体形や過去の試着・購買データから、顧客が好む服や似合う服、コーディネートを提案し、オンラインショッピングの利便性向上を図る。

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