「ブランドの〝生態系〟をもっと多様に広めたい」と話すのは共同運営も含め15ものDtoC(メーカー直販)ブランドを手掛けるサード(東京)の川村匡慶CEO(最高経営責任者)。熱量の高い個人や企業の思いを、得意とするDtoCの運営手法を駆使し、持続可能な形で広く流通させる。現在はファッションがほとんどだが、食や住の分野でもブランドを生み出していく考え。22年1月期の売り上げは10億円ほどと予想しているが、ブランド事業成功の再現性を手にしたとして、25年には100億円という大きな目標を掲げる。
(永松浩介)
人生賭けた仕事
創業は16年2月。3年ほどはEC支援などがほとんどだった。やりがいはあったが、ある時「本当にやりたかったことなのか」と自問、19年夏にDtoCブランドの運営のみを事業とする方向に大きくかじを切った。「もうからなくても、効率が悪くても、人生を賭けて(ブランド育成を)やりたいと思った」と川村さん。もともと人を熱狂させる〝ブランド〟という概念に強い関心があったのも背景にある。