過激な主張で知られる米国の動物愛護団体PETAが5月末に「動物繊維アルパカの毛刈りでアルパカが虐待を受けている」と動画を配信し、アルパカ業界を大きく揺るがしている。欧米の大手アパレル企業に続き、ファーストリテイリングが「21年秋冬物からアルパカ繊維を使わない」と発表。日本の関係業界にも影響が及んでいる。他方で「アルパカ飼育は高度4000~5000メートル級の高地で9万人が働く小規模牧場群が担っているが、彼らは他に生業がなく、この問題による需要縮小は彼らの生活権を損なう」(国際アルパカ協会)と、関係する業界は「アルパカ繊維のサプライチェーン維持を」と訴えている。
PETAからの告発を受けたのはペルーの大手アルパカ企業ミチェルの研究開発牧場「マルキーニ」。ミチェルは自社サイトで「調査の結果、少数ながら動物への扱いで乱暴なところがあった」と謝罪。「マルキーニ」をいったん閉鎖し、外部専門家による施設運営の改善や作業基準の新たなマニュアル作りなどを行っている。
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