デジタル全盛だからこその特別感 紙カタログ発行や電話注文… アナログでコアなファンとつながる

2021/02/05 06:29 更新有料会員限定


 コロナ禍以前は販売員と顧客が密な関係を築いていたブランドが、丸1年続く営業時間短縮や顧客の外出自粛に大きなダメージを受けている。「このままでは立ち行かない」と嘆くミセスブランドもある。ECやSNSなどに関心が高まるが、全ての消費者がデジタルツールを利用できるわけではない。中高年の顧客を持つブランドでは、電話や手紙、紙カタログなどのアナログツールが見直されている。

(壁田知佳子)

モチベーション向上も

 三陽商会の婦人服「エヴェックス・バイ・クリツィア」は20年冬、電話で注文できるファッションマガジン『ウィングス』を発行した。以前からアイデアとしてあったものだが、昨年春の店舗休業を経て、顧客とのつながりを維持する方策として実現した。顧客の年齢が高い同ブランドの20年3~8月のEC化率が16.2%(全社は24.4%)にとどまったことも発行を後押しした。

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