アルシェ代表取締役社長 中島祥雄さん 地元愛くすぐる「ガチャタマ」で快進撃

2023/12/15 12:00 更新有料会員限定


中島祥雄さん

 カプセルトイの「大宮ガチャタマ」をはじめ「ご当地ガチャタマ」が爆発的にヒットし、勢いが止まらない。21年3月の発売から累計30万個を販売した。仕掛けたのは大宮駅前の商業施設「大宮アルシェ」を運営するアルシェ。いまや埼玉県内にとどまらず、東京・東銀座や静岡県沼津市、仙台市と広がり、〝地域おこしの隠し玉〟として様々な地域からの話が相次ぐ。大宮アルシェは来年開業30周年を迎え、この勢いに乗って若者が求める施設へと見直しを進めている。

きっかけは「大宮を元気にしたい」

 ――「大宮ガチャタマ」の誕生背景は。

 大宮ガチャタマは、大宮の名所や商業施設、地元で人気の飲食店や老舗店、キャラクターなどをテーマにしたアクリル製のキーホルダーを作り、カプセルトイとして販売しているものです。SNSで拡散し、今や「ご当地ガチャタマ」として全国に広がっています。

 誕生のきっかけは新型コロナ感染拡大です。コロナ禍でイベントは開けない、客を集めることもできない。そんな中でも、何とか大宮を元気にしたい、客を集めたい、との思いがありました。仲間との雑談の中で、地元の「ド・マニアックなもの」「地元しか知らないもの」を商品化してみようとなりました。半分遊びで始まったのが大宮ガチャタマでした。

 ――売れると思っていたのですか。

 大宮の老舗喫茶店「伯爵邸」や商業施設の看板などをアクリル製キーホルダーにしてガチャタマとして販売しました。マニアックなものばかりで、正直、受けるとは思っていませんでした。最初は「コイツら、馬鹿じゃないのか」と思っていた人もいたようです。ところが、たちまちネットがざわつき始め、埼玉出身のタレントがテレビやラジオで拡散してくれたこともあり、一気に話題になりました。

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