朝倉染布 皮脂汚れに強い非フッ素撥水加工を開発

2025/10/28 06:27 更新NEW!


皮脂汚れが付着すると濡れにつながる(左下)が、新加工は撥水性を維持(右上)

 染色加工の朝倉染布(群馬県桐生市)は非フッ素撥水(はっすい)剤を使いながら、皮脂汚れに強い撥水加工を開発した。地場の工業試験場と機能測定の方法も検討、ここで得られたデータを訴求し、幅広い用途に拡販していく。

 環境対応の一環で世界的に非フッ素化が進んでいるが、非フッ素剤には撥油性がなく、皮脂汚れなどが撥水性を低下させるのがネックだった。同社は水着用を中心に合繊ニットの委託加工を手掛け、撥水素材も扱っている。またポリエステルの風呂敷など独自の製品ブランドの販売を強化している。

 撥水風呂敷を売りの一つにしているが、「(手脂など)皮脂で撥水性がダメになるようでは、製品として失格」として皮脂汚れに耐えられる生地の開発を進めてきた。培ったノウハウを生かし、規則正しく生地上に薬剤を付与する技術を確立、「C6に近い性能が出せた」。

 機能の一つは高い洗濯耐久性で、ニットの場合で撥水性が初期5級に対し、100回洗濯後も4級を維持する。皮脂汚れに対する防汚性の評価方法は確立していなかったため、群馬県立産業技術センターの協力を得て試験方法を検討。人工皮脂液を生地上に垂らし、5分後に染み込んでいないかで判別する方法を開発した。これによると、通常の非フッ素撥水は5分経たないうちに皮脂液が染み込むが、同社素材は5分経過してもこれを防いだ。

洗濯100回後も撥水性4級とC6並みの性能が出せた

 同社がメインで扱う合繊ニットで広げていくが、要望があれば織物にも対応していく考え。加工方法や仕上げを工夫し、これらの対応力も磨いていく。



この記事に関連する記事