しまむらのカジュアル業態アベイルは、レイアウトの変更を全店で終え、業績回復に向けた形を整えた。品揃えも変えながら着実な収益の確保を目指す。
アベイルは現在290店余りで、しまむらでは2番目に多い業態。来期で300店到達も見込まれるが、グループで2000店から3000店を目指すにあたり、アベイルの回復、成長は欠かせない。しかし最近は2期連続で減収になっていた。
てこ入れ策としてこの間、レイアウトの変更に取り組んでいた。メンズとレディスを左右に分けて、奥の壁面を使って力を入れるジーンズを打ち出し、分かりやすさを追求した。今期に入り本格化した取り組みだが、11月までに一気に全店の改装を終えている。
店舗の変更が完了したことを受けて、今後は品揃えの変更をさらに進める。重点の一つはNBの取り扱いの拡大。これにより低価格一辺倒からの脱却を目指す。すでに一品単価で1割ほど上がっており、もう一段の上昇を見込んでいる。
「ファッションセンターしまむらの出店で一番影響を受けるのがアベイルだった」(野中正人社長)としており、同社の複数業態による「ファッションモール」での出店が増えていることもあり、業態間のすみ分けが課題になっていた。1300店を超えているしまむら業態とアベイルで同じことをやったのでは規模の面で商品力に差が出てしまうことからもNBに力を注ぐ。さらにアウターの比率も高める考えだ。また、「インパクトが大切」として、店舗の外観を変える実験も始めている。
今期は第3四半期まで減収が続いているが、0・6%減まで戻している。整った売り場で商品の変更を進め、今後は売り上げを伸ばすことを重視する。