オンライン広告企業、クリテオのECセミナーで、ウェブマーケティング成功事例としてベイクルーズの村田昭彦取締役ICT統括兼EC統括が講演し、「小売業に求められるのが『サービスありき』となり、消費者がどんな施策に反応しているのかのデータが最も重要な会社資産になった。クイックに判断しヒト・モノ・カネの資源を集中していくことが成長の条件」と強調した。
ベイクルーズグループはアパレル・飲食含め全43業態で前期売上高は900億円強。うちEC売り上げは164億円(前期比36%増)、自社サイト売り上げ64億円(51%増)で、今期はEC売り上げ200億円を目標にしている。
自社ECは07年4月開設。成長の要因は「3年前にECやIT(情報技術)の組織を統合した。専門部隊を一極管理する組織に変更し、意思決定の機動力を高めた」こととした。
さらに「もはや消費者は店とネットのどちらで買い物するかは意識していない。見たいと思った瞬間にアクションが起こっていて、そこにサービス提供できているか。スマートフォンでもパソコンサイトでも、消費者が何にアクセスしてきたかのデータを取得し、すべてのデータを駆使して意思決定していくことが大事」とした。
現在ICT(情報通信技術)とEC全体で約100人で、うちECは70人。自社ECのシステム開発は内製化が基本だ。
「頭を使う部分は内製化すべき。ECやデジタルで伸ばしたいなら経営陣に『内製化が絶対必要』とゴリゴリやっていくべき」とし、「客との接点が多様化し、変化は非常に速い。熟考していると時間がもったいない。試して結果が出なければ止めることも重要」と語った。