戦後の闇市を前身に発展した東京・上野のアメヤ横丁。高度経済成長期には、東京の玄関口として栄えた歴史もあり、日本中から愛される観光地だ。コロナ禍以降はインバウンド客が急増し、様々な言語が飛び交う国際的なスポットとして、より一層のにぎわいを見せている。
(高塩夏彦)
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老舗アメカジショップのヒノヤ本店には、国産ジーンズやスカジャンを目当てに、インバウンド客がひっきりなしに訪れる。英語対応を得意とするスタッフは「日本語で接客をせずに1日が終わることも少なくない」と話すほどだ。
物販だけでなく飲食の需要も大きい。昔ながらの居酒屋だけでなく、世界各国の料理を屋台スタイルで提供する店が増え、行列になっている。勝機を見いだし、ファッション専門店が飲食店の運営に乗り出す動きも出てきた。

何がこのインバウンド人気を支えているのか。世界中から集まった観光客、日本在住の海外出身者、店舗などへの取材を通して、海の向こうから見た〝アメ横〟の魅力を探った。
アメ横買い物スナップ 自慢の収穫品を見せてください
アメ横の楽しみといえば、何より買い物だ。ショッパーを手に歩くインバウンド客に、アメ横の印象や購入品について聞いた。
日本製デニムが大好き
通りを歩いていると、アメカジショップのショッパーを提げたインバウンドが目立つ。特に若い男性が多く、欧米人からアジア系まで人種も多様だ。
■シドニーさん(スペイン)の話

友人4人で来日しました。鎌倉、大阪、京都、広島、長崎などを見て回る予定です。上野のことはネットで調べて知りました。ただ、スペインではあまり有名な観光地ではないと思います。銀座などには多くのスペイン人がいましたが、ここでは見かけませんでした。
日本の文化や生活を肌で感じられる素晴らしい場所だと思います。訪日客が欲しいと感じる商品がたくさん売っていますし、店のサービスも親切です。
今日は「桃太郎ジーンズ」のジーンズを買いました。スペインは地域によりますが、全体的に温暖なので、デニムアイテムの人気はそれほど高くありません。ただ、私は日本製のジーンズが大好き。品質が良く、ビンテージのような色落ちが楽しめるのが魅力ですね。欧州で買うと非常に高価なので、日本で買うことができて満足です。
リーズナブルさが魅力
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