「ビヨンドクローゼット」は韓国発のユニセックスブランドだ。「ブランドの入れ替わりが速い」韓国で、来年15周年を迎える。デザイナーのコ・テヨン氏は昨年、「韓国デザイナーファッションアワード」で「韓国トップデザイナー」を受賞。先月には韓国政府のパイロットプロジェクト「メタファッション」で韓国のラッパー、ラビとともにコレクションを発表した。これまでとこれからを聞いた。
(関麻生衣)
15年前はアジアの中で日本がトレンドの発信地でした。韓国に来てファッションを学べるブランドを僕が作ろうと思ったのが始まりです。韓国の消費者は流行に敏感で、えり好みが激しい。ですから、15年ブランドを続けるのは大変なのです。
当時、韓国ではデザイナーブランドが新鮮で、注目されるきっかけになり、地位を確立する基盤となりました。比較的買いやすい価格で、手に届きやすくしたのも韓国で親しまれるようになった理由でしょう。
韓国で有名になり、それなりの収入も得ましたが、それで満足していてはブランドがなくなってしまう。絵に興味を持ったり、あらゆる場所を旅したり。ブランドの存続には何よりも、そのマーケットに精通したパートナーと組むのが大事です。ネットワークを広げ、今後は世界に本格的に展開していきたいですね。
この3年間は中国で話題を集めました。「リー」や韓国のカジュアルブランド「GXG」との協業がヒット。来年にはブティックも開く予定です。日本ではエージェントのIMG(インターナショナルマネージメントグループ)を通じ、露出も増やしていきたいと考えています。
15年後も続けていくために、いろいろ勉強して努力を続けていかなければなりません。常に、今の消費者の関心にはアンテナを張っています。昨年3月、聖水(ソンス)にカフェを開きました。そこではお客さんがどういう格好をして、どのような食事を注文し、会話を楽しんでいるのかを観察しています。ライフスタイルの提案は結局は究極のファッションにつながるのだと感じています。
日本のブランドに学ぶのは、歴史を重ね、長く認知される重要さ。トレンディーでありながら、長く愛されるブランドを目指していきたいと思います。メタファッションなど新たな試みにもわくわくしています。