〝脱炭素〟社会の実現は世界共通の課題だ。あらゆる産業界が脱炭素化に向けてかじを切り、「気候変動」「カーボンニュートラル」の言葉が多くのメディアをにぎわす。なぜ、これほど脱炭素が重視されるのだろうか。国際的な議論の到達点を確認するとともに、企業には何が求められ、何から着手すればいいのか、グローバルな動向に精通している、SGSジャパンの池原庸介氏に聞いた。
(小堀真嗣)
――なぜ今、脱炭素なのか。
毎年のように世界のどこかで自然災害による大きな被害が出ている。日本も例外ではなくなった。例えば19年に東日本を通過した台風19号は、同年に世界で起きた自然災害による経済的損失額では、ワースト1位。実は3位も日本に上陸した台風15号の被害によるものだった。
多発する自然災害
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