ポリエステルのケミカルリサイクルの社会実装が世界で広がっている。欧州で衣料品の廃棄削減や資源循環のルール作りが進んでいることも背景に、各地で量産プラントの建設が計画され、繊維to繊維の実現に向けたインフラが整備されつつある。スタートアップの設立やグローバルブランドによる投資も活発だ。
(中村恵生)
ケミカルリサイクルは繊維やプラスチックなどの合成樹脂を化学的に分解し、油やガス、原料モノマーなどに変える技術。繊維のうち世界で最も多く使用されるポリエステルの代表であるPET(ポリエチレンテレフタレート)で特に商業化へ向けた動きが盛んだ。
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繊維に拡大生産者責任
リサイクルスタートアップの仏カルビオスは、酵素を使った独自のPETケミカルリサイクルによる初の量産プラントを26年に同国内で稼働させる。21年に立ち上げたデモプラントで技術確立を進め、22年からはパタゴニアやプーマなどとポリエステル衣料のリサイクル実証を行ってきた。量産プラントは年5万トンの処理能力があり、稼働すれば欧州では初のPETケミカルリサイクル工場となる。
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