繊維商社のチクマ(大阪市)の「氷点下ベスト」が好評だ。ドライアイスを活用した即効性のある冷却効果が特徴の猛暑対策商品で、ドライアイス製造装置とともに「想定を上回る」売れ行きとなっている。
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同商品はドライアイス製造装置「ドライアイスステーション」を開発した櫻製作所とチクマの協業によるもので、猛暑対策を必要とする様々な職場にドライアイスステーションとベストをセットで提供する。
ドライアイスステーションは300万円。レンタルも可能で単月21万円、3カ月以上なら月に15万円。安くはないが、昨年に20台を販売し、今年は年間目標の100台を既に完売した。このため、急ぎ20台を増産中だが、これも完売の見込み。専用ベスト(1万円程度)の売れ行きも好調だ。今も「毎日5~10件の問い合わせがある」。
ドライアイスステーションは家庭用の冷蔵庫ほどの大きさで、職場に設置しても場所をとらず、キャスターが付く可搬型。液化炭酸ガスを原料に、簡単な操作で薄板形状のドライアイスを自動で1分間に3、4個作る。液化炭酸ガスのボンベ(160キログラム)1本で約250個のドライアイスを製造できる。ドライアイスは従来、「専門業者に事前注文しなくてはならず、昇華を防ぐために断熱容器に保管する手間」が課題だった。ドライアイスステーションは「必要な場所で、必要な時に、必要な分だけ準備できる」利点を訴求している。
猛暑対策品として定着した電動ファン付きウェアは、防爆エリアなど使用制限がかかる場所もある。氷点下ベストはファン付きウェアを使えない高リスクな職場などでの引き合いが多いようだ。同社も独自のファン付きウェア「チクマノスマファ」を販売している。職場環境や要望に応じ、氷点下ベストとチクマノスマファのいずれか適切な商品を提案して幅広い職場の需要を捉えていきたい考えだ。