百貨店子供服売り場が岐路に立たされている。新型コロナウイルス感染拡大の影響でブランドの撤退に拍車がかかり、都心の旗艦店でさえもその穴を埋められない状況にある。売り場縮小が視野に入るなか、これをチャンスとして出店を拡大するメーカーや、百貨店側も提案の幅を広げるなどで売り場の維持を目指す。
(金谷早紀子、関麻生衣)
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新陳代謝に遅れ
百貨店を主販路とした子供服市場は新規参入が少なく、NBを中心に不振が続いていながらも売り場の新陳代謝が鈍かった。
大手アパレルの構造改革にコロナ禍が追い討ちをかけ、オンワード樫山の「組曲」「トッカ」、べべの「べべ」などが退店を加速。ファミリアも店舗の統廃合を進め、創業以来初めて百貨店と取引条件を交渉した。ナルミヤ・インターナショナルもジュニア向けの1、2ブランドを休止、中堅メーカーのフィスも、路面店を含めて全体の3分の1を閉店した。ある都心の百貨店では8~9月に5ブランドが一気に退店、新規ブランドを導入するが、NBの売り場は埋められず特設会場にせざるを得ない状況だ。百貨店担当者も「売り場の縮小はやむを得ない」「売り上げが好調なわけでもなく、条件交渉の折り合いをつけるのが難しい」と頭を抱える。
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