「コグノーメン」(大江マイケル仁)は7月14日、東京・大井ホッケー場で24年春夏のショーを行った。テーマは「エンパシー」(共感)。
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観客席の前には鮮やかなブルーのフィールドが広がる。ショーはトーンを重ね合わせたブルー一色のスタイルで始まった。フード付きのポンチョ風コート、襟を立てたシャツにはショート丈のトラックパンツのレイヤード。スポーツムードのすがすがしい空気を感じさせながら、人工的な色やテクスチャーを交えてハイブリッドな着こなしへと発展させていく。マゼンタ色のニットベストにグレーのタックパンツ。柔らかな合繊テキスタイルを使ったシャツやパンツは、ファスナーの開閉によって丈の長さが変わる。
フットボールを発想源にする大江は、「ファイトフォー」をテーマに23年秋冬コレクションでショーデビューした。「戦いの後、人種や所属を超えて、選手が入り混じり、たたえ合う景色をイメージした」という。
コレクション全体に深みを加えているのは、物作りにこだわってきたニットアイテムだ。ユニフォームを原型としたセーターやカーディガンは、細かなボーダー柄が切り替わってストライプ柄を構成する。グラフィカルな柄が日常着に躍動感を生み出し、ソックスの2本線もリズミカルに響いた。
(須田渉美、写真は加茂ヒロユキ)