三井不動産が東京・日本橋に昨年3月20日に開業したコレド室町2と3が好調だ。開業から1年間の来館者数(既存のコレド室町1を含む3館合計)は当初目標の1700万人を上回り、2400万人を達成、売上高も当初目標の110億円(3館合計)を大きく超えた。「日本橋の伝統を維持しながら、高感度で、新しいコンセプトを施設作りに取り入れた」ことが奏功し、従来は日本橋にあまり来なかった層の需要を獲得した。
従来から日本橋に多かった中高年層に加え、当初の狙い通り、平日は近隣の就業者を含めた30~40代の女性、週末は同世代を主体としたファミリーや20~30代の男女客が増加した。日本在住者を含む外国人客も欧米人を中心に増えた。
3館を通じて、日本の老舗食物販や雑貨店が外国人客を含めて幅広い層の需要を獲得、深夜まで営業する飲食店は平日の就業者のニーズをつかんだ。週末のファミリーや若い男女客が増えたのはコレド2に日本橋地区初のシネマコンプレックスを導入した効果が大きい。コレド3に導入したライフスタイル提案型のセレクトショップ・生活雑貨店も「全体として順調」だ。
1100年以上の歴史がある地元稲荷、福徳神社を復興し、コレド1と2の間の神社前の通りを参道として整備するなど環境作りに力を入れたことも「施設と街全体の魅力向上」につながった。さらに、コレド1の地下1階に設置した「日本橋案内所」で館内の店だけでなく、地区全体の情報を発信しているほか、周辺の百貨店などと組んで地区全体を盛り上げるためのイベントを積極的に実施したことが「街の新たなにぎわい」を生んだ。
今後も街ぐるみのイベントを積極化し、活性化する。今月6日から地区の商業施設や商店などと共同で「日本橋桜フェスティバル」を実施、28~29日には通り沿いに夜桜見物ができる屋台を設ける。