ビームスはツキノワグマをモチーフにしたオリジナルのキャラクター「ツッキー」を使ったIP(知的財産)ビジネスに取り組んでいる。これまで、カプセルトイやTシャツなどで採用された。ビームスの名前は基本的に使わず、あくまでキャラクターの認知を広げることで市場価値を高め、収益化を目指す。セレクトショップがIPビジネスに挑む理由は何なのか。仕掛け人であるビームスクリエイティブの入江和宏プロデューサーに聞いた。
(柏木均之=本社編集部)
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爆発力に可能性見いだす
97年にビームスに入社した入江氏はメンズカジュアルの販売員として銀座店、原宿店で勤務し、Tシャツ専門レーベル「ビームスT」のディレクターを経て、ビームス創造研究所(HALS)に移った。
HALSのプランニングディレクターだった08年にアニメや漫画と協業したTシャツを作る「マンガート・ビームスT」を立ち上げた。12年、入江氏は「ももいろクローバーZ」との協業を仕掛けた。
当時、人気急上昇中だったアイドルグループとビームスが協業するニュースは話題となり、発売日には開店前のビームスT原宿に500人の行列ができた。用意したTシャツは開店からわずか2時間で完売した。

「アニメもアイドルもファッションも全部好き」が当たり前の若い世代が増え、一部マニアが支持するカルチャーからメジャー化するコンテンツが生まれることも珍しくなくなりつつあった。「爆発力のあるIPを自社で保有するビジネスには可能性がある」
その後、ビームスのBtoB(企業間取引)の窓口となるビームスクリエイティブでプロデューサーに就任した入江氏は、ビームスT、HALSでの経験を元に自社オリジナルのキャラクター開発に着手した。

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