和紙繊維製品のキュアテックス 独自製法で差別化

2018/01/17 04:25 更新


 和紙繊維製品を製造・販売するキュアテックス(東京)は、独自製法で作る肌触りの良い和紙糸、和紙生地の販売を増やしている。

 和紙糸「キュアテックスヤーン」は、柔らかい風合いと強度の高さが特徴だ。原材料となる和紙は、刈り取っても茎や葉を毎年生やす多年性植物のマニラ麻の樹皮を使い、「自然環境に優しい」という。さらに、和紙が備える紫外線カット、防虫、抗菌、消臭、調湿性といった特有の性能を損なわない独自の製法を10年かけて開発し、他社の和紙糸と差別化している。

 製法のポイントは〝撚る〟技術だ。「越前和紙」の産地である福井県に自社工場を構え、和紙作りに精通した職人たちが中心となって製法に磨きをかけてきた。和紙を数ミリ単位に細くスリットし、乾式でゆっくり撚糸し、天日干しで自然乾燥する。このため、和紙がしっかりもまれて糸が強くなるとともに、柔らかくなる。さらに糸の表面が凹凸状になって表面積が増えるため、吸水、消臭性も高まる。

 同社によると、一般的な和紙糸は湿式紡糸。一定方向に撚ることで均一にぎゅっと詰まった糸構造になり、少し硬めの風合いが特徴だという。

 糸売りだけでなく、自社工場内の織機や編み機を活用して生地開発にも力を入れている。生地は表が綿糸、裏が和紙糸のパイルや天じくといった編み地を中心に、ウールやシルク、「テンセル」との複合などを揃える。

和紙78%・シルク22%の布帛
表が綿100%、裏が和紙57%・綿43%の二重編み天じく



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