【知・トレンド】《データを読み解く》
国内の高齢化、人口減少から、海外市場に目を向ける企業が増えている。帝国データバンクの調査によると、海外に進出している中小企業のうち、進出済みの国・地域の1位は中国(73.7%)、2位タイ(36%)。今後進出する予定の国・地域はベトナム(31.1%)が最多だった。
新たなエリアに進出する企業は、全体の17%にとどまった。2位以下は、タイ、インドネシアと続く。ミャンマー、インドも上位に入り、より人件費の安い後発ASEAN(東南アジア諸国連合)や南アジアの存在感が高まっている。海外事業は「拡大意向」52.5%、「現状維持」41.9%、「縮小・撤退意向」5.5%。
縮小・撤退意向の理由は、「現地人件費の上昇」が61.4%、「海外での需要減退」「円安の進展」が36.4%。海外進出によるコスト削減効果が薄れてきたことを理由とする企業が多い。中国の景気減速への影響は、「売り上げ減少」(45.8%)、「利益減少」(33.3%)を見込むが、「あまり影響はない」も32.8%を占めた。
■中小企業の海外進出動向調査 中小企業法に定める中小企業のうち、海外進出をしていると回答した企業797社が集計対象