電通総研「若者まるわかり調査2015」を実施 「ウラハラ・マインド」って?

2015/04/21 10:56 更新


 電通総研は、電通若者研究部(ワカモン)と共同で、関東・関西・東海圏の高校生・大学生・20代社会人の3000人を対象に、「若者まるわかり調査2015」を実施した。

 調査は、若者の価値観、社会や将来に対する意識、コミュニケーションや消費に対する意識、趣味や好きなこと、などについて聞いたもの。

 調査の結果、社会や将来に対する意識については、自分の将来に対して感じる不安以上に、日本の将来が不安と感じていることが強いことが判明した一方、9割近い若者が日本のことを好きと回答しているという。

 コミュニケーション意識については、複数のグループやつながりを持ち、複数のキャラやSNSを使い分けてうまくコミュニケーションしながらも、人間関係をリセットしたくな
ることがあるというマインドがあることが分かった。

 日本の将来は不安だけど日本のことは好き、つながっていたいけど人間関係をリセットしたい、など裏腹な意識=「ウラハラ・マインド」を持つ今の若者像が明らかになったと結論づけている。

 

【ダイジェスト】

<若者の5つのウラハラ・マインド>

1.『日本の将来は不安』だけど、日本のことは好き
2.つながっていたいけど、『リセットしたい人間関係』
3.自分たちが『社会をリードしたい』けど、変えることまでは考えていない男子
4.『老後の生活が不安』だけど、今は楽しみたい女子
5.欲しいものはあるけど、『堅実・節約家と思われたい』

 

1.『日本の将来は不安』だけど、日本のことは好き

■日本の将来が不安と回答した割合は全体の77.3%で、自分の将来が不安という回答(64.
4%)よりもスコアが上回っている。
■日本のことが好き、と回答した若者は全体の89.5%。

2.つながっていたいけど、『リセットしたい人間関係』

■一緒に行動したり、情報を得たりしているグループ・つながりは全体で平均7個、正直
整理したいと思うグループ・つながりは全体で平均2個存在。
■ふだんの生活で使うことのあるキャラの数は、高校生で5.7キャラ、大学生で5.0キャラ、
20代社会人で4.0キャラ。
■LINEやTwitterは全世代、Facebookは大学生以上で浸透。Instagramは女子高校生の2人
に1人がアカウントを所有。複数のSNSを使い分けている。
■Twitterの複数アカウント所有率は、高校生で62.7%、大学生で50.4%。
■人間関係をリセットしたくなることがあると回答したのは全体の54.7%。最も高かった
のは女子高校生で67.8%。

3.自分たちが『社会をリードしたい』けど、変えることまでは考えていない男子

■「自分たちの世代が中心となってリード・牽引していきたい」か「上の世代が中心とな
ってリード・牽引していくべき」かという質問では、58.0%:42.0%となった。前者で最
も高かったのは男子大学生で68.6%。
■「社会の制度は自分たちの働きで変えられると思う」か「自分たちではどうにもできな
いと思う」かという質問では、42.9%:57.1%となった。

4.『老後の生活が不安』だけど、今は楽しみたい女子

■現在、不安だと思うことは、高校生は「受験・進学」「就職」、20代社会人は「お金」
「仕事」が上位。20代社会人女子では「お金(66.3%)」「仕事(44.9%)」「結婚(44.
8%)」に加え、「老後の生活(42.5%)」が上位にランクイン。
■今しかできないと思う趣味・好きなこととして、女子高校生は「プリクラ(28.7%)」
「自撮り(セルフィー)(15.0%)」、女子大学生は「友人とのイベント(タコパ、宅飲
みなど)(12.7%)」、20代社会人女子は「海外旅行(12.1%)」「国内旅行(10.9%)」
と、親しい友達と楽しむ体験や思い出づくりの行動が挙がっている。

5.欲しいものはあるけど、『堅実・節約家と思われたい』

■「欲しいものがある」という回答は全体の86.5%。ただし、「欲しいものはあるが、無
理して買うほどではない」という回答がすべての層で5割を超えた。20代社会人男子では、
2割が「欲しいものはない」と回答。
■すべての層で「まわりから気前がいい・金払いがいい」と思われるよりも、「堅実・節
約家と思われたい」が上回る結果になった。

 

「若者まるわかり調査2015」の概要
・調査手法    :インターネット調査
・対象エリア   :関東1都6県、関西2府4県、東海3県
・調査対象    :高校生以上の未婚15~29歳男女
 ※対象エリアの性・年代別人口構成比率および未婚率に基づいた割付を実施
・サンプル数   :3,000サンプル
・調査時期    :2015年2月6日(金)~2月9日(月)
・調査実施機関  :株式会社電通マクロミルインサイト

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