百貨店再生へ多機能化 リノベーションで売り場の〝用途変更〟

2020/09/01 06:29 更新有料会員限定


大街道商店街入り口にある松山三越。8月末で多数のブランドが営業終了し、9月から段階的改装を開始する

 ホテル、図書館、フィットネス…。百貨店に物販以外の機能を導入する事例が広がり始めた。従来のフロア構成では収益の維持・拡大が難しく、百貨店再生のためには地域活性化が欠かせないとの認識も強まっている。地域に求められる機能を付加してにぎわいの創出に貢献し、圧縮した百貨店部分も活性化したい意向だ。

(吉田勧)

 コロナ禍の影響もあり、今夏はブランド・ショップの退店が相次いでいる。出店に前向きな物販企業の取引先は少なく、退店跡の対応に苦慮する百貨店は多い。売り場の〝用途変更〟を含めた大規模な改装計画に着手する百貨店が今後、さらに増える可能性がある。

「立地の必然性」

 松山三越は、9月から全館規模の改装に着手する。9層のうち百貨店部分は主に2~4階に圧縮し、上層階には「ライフスタイルホテル」やビューティー&ヘルス関連のテナント、地下1階、地上1階も食物販、飲食関連のテナント中心に切り替え、21年秋に改装オープンする。観光客や会社員、学生など幅広い客層が訪れる大街道商店街に位置する「立地の必然性」を改装のキーワードとしている。エリア特性をよく知る地元事業者を主要テナントに据えることで、地域振興への貢献も狙う。

この記事は有料会員限定記事です。繊研電子版をご契約いただくと続きを読むことができます。

すべての記事が読み放題の「繊研電子版」
単体プランならご契約当月末まで無料!

今すぐ登録する

今すぐ登録する

会員の方はこちらからログイン

関連キーワード電子版購読者限定



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事