デサントは、国連が提唱する人権・労働・環境・腐敗防止についての普遍的10原則「国連グローバル・コンパクト」(UNGC)に署名した。人権擁護の支持と尊重、児童労働の実効的な排除、環境に優しい技術の開発と普及などを事業活動の中で実践し、「持続可能な地球社会の実現に貢献」していく。
デサントは16年3月期を最終年度とする中期経営計画で「デサント」ブランドを軸にしたグローバル事業の拡大に取り組んでおり、14年3月期の連結海外売上高比率は50%近い水準。UNGCに署名すれば、10原則の実施状況や成果を年次活動報告として毎年、米ニューヨークのグローバル・コンパクトオフィスに提出することが義務付けられる。デサントとしてはCSR(企業の社会的責任)活動に取り組む企業姿勢をステークホルダーや国際社会にアピールしていく狙いもあるようだ。
UNGCは世界経済のグローバル化に起因するさまざまな社会課題を解決するには、企業と国連とが協働するべきであるとする前国連事務総長コフィー・アナン氏の提唱により2000年に創設された世界的な取り組み。「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野・10原則を掲げ、責任ある企業活動を促す。現在、約160カ国、1万2000を超える企業と団体が署名している。日本では三菱商事や伊藤忠商事、イオン、良品計画など195企業・団体(3月14日時点)となっている。