中小・零細企業が大半を占めるファッション業界の性質上、予算、人材、時間の制約から、ECサイトやSNSなどの整備がままならない企業が多い。次々と押し寄せるデジタル化の波。しかし、そもそも何をすればいいのか?という基本的なところが、ぼんやりとしているケースも。その理解を進める上でも専門家の提案や先進事例を中心に、実践的に取り組めるようなデジタルマーケティングの手法を紹介する。
(ナイキミキ・ファッションライター)
SNSが作る市場
世帯におけるスマートフォン所有率は83.4%、一方でパソコンの所有率は69.1%にとどまる(令和3年総務省調べ)。10~20代においては約98%がスマホを所有するという。パソコンでの検索やECショップ利用は一昔前の話だ。使用デバイスの変化は、急速に進んでいる。特に物心ついた時からスマホがある10~30代においては、SNS、検索、ショッピング、学習、動画、友達との連絡など、すべてをスマホで完結させるのが普通だ。若者に人気の漫画アプリは、スマホで読むことに特化し縦スクロールに。それはたちまちに浸透し、今では標準装備となっている。スマホがますます存在感を増している中で、利用率が高いのがSNSアプリのインスタグラムだ。国内での月間アクティブ利用者数は約3300万人。現在、インスタグラムは、単に情報共有するだけのSNSの役割を超えインスタ買い、という新しいマーケットを作り出し、購買にも大きな影響を与えるプラットフォームへと進化した。
継続することが大事
Cチャンネル(以下C社)は自社でもLemon Square、 C CHANNEL、mamatasなど発信媒体を持ち、SNSの中でも特にインスタグラムを使用したインフルエンサーマーケティングに定評がある。現場を指揮する武藤崇雄取締役に、現況を聞いた。