エルトップ、緯糸2本で多彩な表現

2015/06/09 06:37 更新


 国産裏地主力のエルトップ(東京)が高級先染めジャカードの新シリーズ「ニューサベリ」を販売する。同社が主力素材として扱うキュプラ「ベンベルグ」100%の裏地で、従来品は1本の緯糸だが2本にすることで、奥行きが感じられる多彩な柄を表現した。高級なメンズのスーツやジャケット用途を中心に、パターンオーダー需要も想定。グレード感のあるボタンもセットで提案する。

 ニューサベリは、同社が93年に営業権を譲り受けた甲商サベリが70~80年代に主力にしていた高級紳士服用裏地のアーカイブを企画のベースにしている。40番手双糸の経糸と、100 デニール の緯糸を色違いで2本使って織り、緯糸1種類では表現できないデザインを10柄揃えた。各柄1色は定番品として在庫を持ち、縦11色、横40色のマス見本も別注用で揃え、10㍍前後からのオーダーにも対応する。

 価格はベンベルグの先染めジャカード裏地のボリュームゾーンより3倍近い設定だが、「先染めジャカード裏地の奥深さを知ってもらいたい」(同社)と高付加価値を強調し、高級市場をねらう。 

 パターンオーダーの需要に対しては、裏地とともにボタンもセットで提供する考え。貝、水牛、ナット、メタルなど各種ボタンの見本帳も用意した。



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