複合で実店舗に挑むエシカルブランド 

2016/10/21 02:58 更新


ストーリーを直接伝えたい 飲食やヨガなどでコミュニケーション


 エシカル(倫理的な)ファッションや雑貨のブランドは、期間限定店やECで販売することが多く、実際に見たり触れたりできる機会は少なかった。ただ、物作りへの思いや商品の背景にあるストーリーを消費者に直接伝えたいと、実店舗の出店を模索しているブランドは多い。今年、飲食店との複合型で東京に二つのエシカルブランドのショップがオープンした。

■ヴィーガニ―+トゥルーベリー
エシカルの衣食住を提案するトゥルーベリー・ウィズ・ヴィーガニー
エシカルの衣食住を提案するトゥルーベリー・ウィズ・ヴィーガニー

 

 東京・表参道に7月にオープンしたのが「トゥルーベリー・ウィズ・ヴィーガニー」。人や動物、伝統的な物作りを守ることをコンセプトに、インドのフェアトレード団体などと物作りをするエシカルブランドのヴィーガニーが、国産の無農薬野菜や果物を使ったコールドプレスジュースなどを出すトゥルーベリーと初の店舗を出した。トゥルーベリーは広尾と中目黒に店があり、3店目。「衣や住のエシカルの入り口として『食のエシカル』に可能性を感じた」(竹迫千晶ヴィーガニー代表)、「原料や生産者にまでこだわる点が共通している」(西村直子トゥルーベリー代表)という2人が意気投合し、表参道店の出店につながった。

 来店客の9割が女性で、年齢層は30~40代が中心。トゥルーベリーを知っていて来店する人が多いが、店内に並ぶヴィーガニーの手刺繍のバッグやポーチ、竹迫代表がセレクトしたエシカルコスメを見て、商品の背景を知り、購入する人が増えているという。

 エシカル商品は2カ月ごとに入れ替える期間限定ブランドもあり、リピーターにも新しい発見を提供している。「表参道はファッションやナチュラル系雑貨などに敏感な大人の女性が集まる場所なので、発信地としてはまたとない場所」(竹迫代表)と、今後、エシカルやオーガニックなどをテーマにワークショップを開いて新規ファンの獲得につなげていく。


■インヒールズ+リブラ
店内でヨガイベントや顧客を招いたパーティーなど様々なイベントを催しているチャンネルゼロワン
店内でヨガイベントや顧客を招いたパーティーなど様々なイベントを催しているチャンネルゼロワン

 

 ロンドンと東京を拠点にセクシーでクールなエシカルファッションを発信する「インヒールズ」と、オーガニック綿をメイン素材にカラフルでポップな服や下着を作る「リブラ」が、コーヒー専門店アンソロップ・エスプレッソ&ビブリオと共同で9月、東京・下北沢にオープンしたコンセプト店が「チャンネルゼロワン」。ショップ名には「新しい時代にチャンネルを合わせ、ゼロからイチを生み出す場所」(岡田有加インヒールズ共同代表)という意味を込めた。

 物販だけでなく、ヨガイベントやブランドのファンを招いたパーティーなど、実店舗ならではのイベントを開いている。今後も同様のコンセプトで物作りをする他ブランドの展示会や受注会、映画上映、ワークショップなどを開き、サステイナブルな次世代カルチャーの発信基地として活用していく。物販ではインヒールズとリブラを中心に、他のエシカルブランドや古着も販売している。



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