服飾系専門学校では、ファッション業界と社会全体のビジネス環境の変化に対応するため、新しい学科やコースを新設する動きが目立つ。デジタル化やSNSの普及を背景に、来春は3Dモデリストを育成するコースや、SNSを使った販売、販促技術を習得できる教育を拡充する学校が多い。即戦力となる人材を送り出すため、時代や企業のニーズに柔軟に応えつつ、アイドルやコスプレの衣装の制作など入学者確保を狙って新しい授業を導入する流れもある。
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基礎から学ぶ
文化服装学院は「ファッション業界でも、3Dモデリングを販促やサンプルで活用するなど、急速に需要が高まっている」とみて、来春、バーチャルファッションコースを新設する。服作りの基礎的な知識と技能を学び、製品化の流れも理解した上で、アパレル技術科3年生が学ぶコースとして設置。3Dモデリングができ、バーチャル空間でもファッションをクリエイトできる人材の育成を目指す。
モード学園はデジタル化への対応を目的に今春、ファッションテクノロジー学科とファッションデジタルプロモーション学科を新設。さらに来春は、ゲームやSNS、メタバース(インターネット上の仮想空間)などバーチャル空間のファッションのデザイナーやパタンナー、プロデューサーを育てる教育内容を導入。三つの専攻を新設する。