日本ではまだメジャーではないが、ヨーロッパで注目されている日本のスニーカーブランド「フラワーマウンテン」。経済産業省や皮革産業連合会などがイタリアの見本市で日本ブランドを紹介するジャパンブースで、販売の手伝いをするミラノ在住のファッションコーディネーター、坪内隆夫さんがフラワーマウンテンが売れている理由を探った。
メンズ、レディスのフラワーマウンテンは、色使いがとても奇麗で、デザインもとてもユニークなスニーカーブランド。デザインは太田圭輔氏が担当し、共同経営者である中国人のヤン・チャオ氏が開発・生産を上海で担当、日本にアジア地区の販売代理店がある。「ボイルブランシェ」など、今人気のブランドを持つイタリアのFALCがEU(欧州連合)およびアメリカの販売代理店を務め、彼らの下で各国・各地のエージェント15社が販売している。ブランド設立からそれほど長くはないが、既にグローバルに活動している。
このブランドを初めて見た瞬間、色使いやデザインが面白く、オリジナリティーのある唯一無二のコレクションで、ヨーロッパでも必ず売れると思った。こんな日本ブランドに出会うのは滅多にあることではない。
日本のブランドを海外で販売する場合、いつも問題になるのが、どうしても価格が高くなってしまうことだ。日本ではそれほど高くない商品であっても、輸送コストやエージェントのコミッション、高い付加価値税(イタリアは22%)、販売店の利益率が日本よりも高いなど、さまざまな要因から日本の倍近くになってしまう。しかし、このブランドのヨーロッパ販売価格は200ユーロ前後と、決して高い価格帯ではない。
また、デザインに力を入れているブランドにありがちな、履き心地の悪さというのも一切なく、足も疲れない。海外にディストリビューターを持つということは、商品価格が安定するし、不良品があった場合の対応など何か問題が起きた場合に責任を負ってくれる会社が現地にあり、客の安心感につながる。
【関連記事】