仙台の百貨店、藤崎は仲卸のヤマセンと協業したレディスの「アルモニーテラスバイフジサキライフスタイル」を10月8日に開業したイオンモール仙台上杉の1階に出店した。20年にスタートした事業で3店目は外部への出店となった。地域に合わせた品揃えで売り込むとともに、30、40代の情報を収集する拠点にする。
同店はバックヤードを含めて130平方メートルでレディスと雑貨を扱う。レディスについては既存店の売れ筋も持ち込んでいるが、これまでと異なり上質な国産の品揃えに力を注いでいる。同施設は市内の再開発地域の立地でマンション開発が進んでおり、所得の高い層が流入していることから、ワンランク上の商材を国産の安心感をもって提供することにしたという。立ち上がりの国産の比率は6割ほどだが、拡大することを想定する。これに藤崎でも扱っているものを含めた雑貨を組み合わせている。
アパレルは群馬・太田のニットブランド「トゥータッチ」や岡山・児島の「アントゲージ」などと一部オリジナルを扱っており、カットソー製品で1万円、ニットで2万円程度のものが多く、客単価で百貨店よりは下だが、SCでは上の1万5000円を想定する。年商は5000万円を見込んでおり、10月1~7日のソフトオープン期間に国産の商品を中心に売れるなど順調に立ち上がったという。藤崎の知名度も後押ししており、現在はつながってない会員カードの連携は課題とする。
アルモニーテラスは20年に「ヴィーフジサキ六丁の目店」に第1号を出し、21年に「ヴィーフジサキララガーデン長町店」も出していた。それぞれサテライト店・ヴィーフジサキ内での展開だったが、2店が順調で藤崎本館から2キロほど離れていることから外部出店に踏み出した。
豊かな足元商圏を捉えて収益化を見込んでいるが、さらに「30、40代との接点を増やす」(伊藤美和子コンテンツデザイン部営業企画担当チームマネージャー)ことも重点の一つ。ここでリアルな声を集め、藤崎全体の戦略作りにつなげる構えだ。