フクイ 触れて色がわかるタグ

2015/08/28 04:26 更新


 ネーム、下げ札主力のフクイ(東京)は、視覚障害者が触れて色がわかる触覚タグ「いろポチ」で、11月に東京都墨田区で開催される視覚障害者向けイベント「サイトワールド2015」に初出展する。対象となるユーザーに直接、タグの存在を知らせて使用価値を納得してもらうことで、アパレル業界での普及を後押ししたい考えだ。

 同展は今回で10回目。日本点字の日である11月1日から3日まで、すみだ産業会館サンライズホールで開催される。主催は社会福祉法人の日本盲人福祉委員会。9回展は42社が出展し、約6000人が来場した。

 フクイは出展を通じて「使用者の間で『いろポチが服に付いていれば便利』と認知を広げたい」(土屋哲朗社長)という。いろポチの認知度と必要性を高め、アパレル業界に対して採用を促す契機とする考えだ。

 いろポチは日本女子大学被服学科非常勤講師で、産業技術総合研究所の名誉リサーチャー佐川賢工学博士が発案し、フクイと共同で開発したタグ。表面には小さな凸加工を時計の文字盤のような配置で施し、それらの一つひとつが色を表し、穴を開けて箇所によって衣料の色を識別できるようにしている。タグは衣料に直接縫い付けたり、アイロン接着シートで貼り付けることができる。

 現在、日本点字図書館で小売用のセットを販売しているほか、盲導犬総合支援センターが運営する「盲導犬サポートショップ」のオリジナルグッズに使われている。「世の中の全ての人に向けたデザイン」を掲げるブランド「テンボ」が3月に参加した東京コレクションのショーでも採用された。



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