福井プレス Tシャツ、ジーンズを「珈琲染」で再生

2020/05/20 14:58 更新


 クリーニング・製品染めなどを手掛ける福井プレス(東大阪市、福井伸社長)は、焙煎(ばいせん)工場から出るコーヒー豆のシルバースキンや破砕片を活用した「珈琲染」を開発した。ドリップかすを使った一般的な染色と比べ、「安定的で濃い発色が得られる」という。マクアケのクラウドファンディング(CF)でスタートした。

 福井プレスは、創業80年を超える老舗企業で、水洗機、ドライ機、ドラムワッシャー、ウインス染色機などを持つ。3代目となる藤田社長は、クリーニングのノウハウや新たに開発した染色加工技術を組み合わせ、一点物専門の「染め直し屋」事業を積極化。シミや汚れで使えなくなった衣料の再生などにも取り組んできた。

加工前(右脚)と加工後(左脚)のジーンズ

 今回のプロジェクトは、同じ東大阪市に本拠を置く藤田珈琲と協業した。焙煎時の過程でコーヒー豆からはがれ落ち、苦みや雑味の元となるシルバースキンなどを活用する。大阪府は東京都や愛知県よりも多い日本一の喫茶店がある。協業する藤田珈琲は家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売を中心に展開する。原料供給を通じて、大阪のコーヒー文化をさらに盛り上げていきたい考えで、近く東大阪での新社屋立ち上げやカフェのオープンを計画している。

 CFでは白のTシャツやドレスシャツ、ジーンズを対象とし、推奨アイテムは綿、麻、レーヨン、キュプラ、「テンセル」などの植物系繊維50%以上が中心。支援者に配布されるチケットと服を福井プレスに送付し染色する形で、6月末までのお届けを見込む。白Tシャツ1枚の加工で税込み3900円など。支援者にはライブ配信による工場見学も計画している。CF後は、基本料金3000円+重量価格で加工していく予定だ。

クリーニングと加工のノウハウを駆使


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