マッシュスタイルラボ(東京)のルームウエアブランド「ジェラートピケ」が好調だ。今上期(14年9月~15年2月)の売上高見通しが前年同期比22%増、既存店ベースでも12・2%増と、新規顧客を増やし続けている。商品テイストを分けたことで、ブランドイメージや顧客の幅が広がった。
「老若男女、どの客層にも買ってもらっている」と話すのは豊山陽子執行役員ジェラートピケ事業部部長。最近の販売状況も、もこもこ素材、ベビー・キッズ、メンズ、布帛物など各分野が好調だ。甘くて可愛らしいイメージが強かったが、14年春夏からは商品のテイストを分類。「〝大人のデザート〟のコンセプト通り、生クリームいっぱいのデザインもあれば、甘さ控えめで大人っぽいものもある」との考えで、より多くの女性が楽しめる商品構成にした。
それを客に認知してもらうためのポイントが販促。雑誌の出稿先を変えるなどし、30~40代の新規客が増えた。恋人同士、家族、ギフトなど、ライフスタイルに合わせて選べるブランドであることも打ち出した。
商品の改良では実用性を強化した。「実用性だけを追うと可愛さが減ってしまう。どう工夫すればいいか」と試行錯誤し、商品一つひとつの素材や機能を磨いた。
市場環境も追い風だ。ライフスタイルの浸透とともに、家での時間を豊かにするルームウエアは女性にとって不可欠なアイテムになっている。アウタートレンドのシンプル化と同質化が続くなか、楽しさのある提案で購買意欲を刺激できたことも大きい。「ここ1年ほどの市場を見て、女性がジェラートピケにお金を使ってくれた理由はちゃんとあると感じている。今後も、全ての女性へという思いでブランドを進化させたい」