ゴールドウイン、「エレッセ」を刷新 ライフスタイル商品強める

2020/08/04 06:28 更新


 ゴールドウインが製造・販売するアスレチックブランド「エレッセ」が、大規模なリブランディングに挑んでいる。テニスをルーツにしながら日常もシームレスにつながるブランドとして刷新する。7月28日にはリブランド後初の単独直営店をレイヤードミヤシタパークへ出した。

(杉江潤平)

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 ブランド再構築の一環で、20年春夏から百貨店などで販売してきたアダルト、シニア向けのアパレルやウォーキングシューズ、ウィンターブーツなどを休止。売り上げの3~4割を占めていた水着もやめた。低価格帯の商品群を扱ってきたスポーツ・カジュアルチェーン店との取引もなくした。

テニス用品は機能品を本格開発

 継続しているのは、プレー時に着用するパフォーマンス用ウェアやシューズ、テニスの要素を感じさせるライフスタイル商品だ。現状ではテニス用品とライフスタイル商品の販売比率は半々だが、全体を拡大する中で、テニス向けのパフォーマンス商品3、ライフスタイル品7のバランスに修正する。

 テニス用品では、機能品の本格的な開発に着手。ウェアでは、ラケットの進化に合わせ、ボールに回転をかけるため、腕を動かしやすいウェアの研究・開発に取り組んでいる。シューズでは、テニス特有の横に滑りながら打てて、さらにその次のアクションにも移りやすいものを模索している。

 ライフスタイル商品では、イタリアらしい曲線美と明るい色使いが特徴の商品を増やす。テニスウェアで使用する素材や機能も活用し、日常を快適に過ごせるものを拡充する。

刷新後の新商品では、ブランドの代表アイテムであるウインドアップジャケットとパンツをタウンユースに提案する。カラーブロックの配色は現代的にアップデートした。

カルチャー要素とクロスオーバー

 7月28日にオープンした新業態1号店「エレッセ・トーキョー」(広さ約70平方メートル)は、「ア・ニュー・ウインド」(新しい風)をコンセプトに、ファッション、音楽、アートなどカルチャー要素とクロスオーバーさせている。内装は白を基調に仕上げ、商品の色味が引き立つようにした。ライフスタイル品とテニス用品をミックスして陳列し、スポーツカジュアルショップとして訴求する。開業に合わせ、アーティストのとんだ林蘭さんとも協業。UV(紫外線)カット用のアンダーウェアの配色を見直し、日常にも着用できるアイテムにしたトップガードシャツや、スポーティーになりがちなポリ塩化ビニルをクラシックに見せたハンドバッグなどを出した。

 ゴールドウインは80年代に子会社を通じてエレッセのインポート品を揃えた直営店を都内に複数開設。90年に日本エリアの商標権を取得して以降は、横浜ランドマークタワーに旗艦店を出したり(93年)、地方百貨店にエレッセショップを出店したりしていた。しかし、マーケットインの考え方から「色々なエレッセが出てくるようになってしまっていた」(今瀧俊輔第二事業本部エレッセ事業部長兼事業グループマネージャー)。そのため、今回のリブランディングで軌道を修正。テニスを軸としつつ、日常をもカバーする若者向けブランドで刷新する。

服の色を目立たせるよう内装は白一色としたエレッセ・トーキョー


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