GU「まじめとポップカルチャーで」

2015/03/25 06:19 更新


 「16年までに日本発の〝まじめ〟と〝ポップカルチャー〟の二面で、グローバルなポジションを築きたい。他ブランドとの差別化がはっきりすれば、ユニクロを上回る可能性が大きい」と話すのはファーストリテイリング(FR)グループの柚木治ジーユー社長。競合の激しい市場で、売上高1兆円とさらなる成長を目指すには、早期のブランド力の確立が重要と見る。

 「良く言えば変化とスピードで成長してきたが、これから我々がプレーする市場は超激戦。海外ファストファッション勢はテイストでブランディングできており、変化とスピードに加え、ジーユーが何者かの強みを明確にすることが課題」という。

 今年度から「日本発のバランスの取れたデザイン」と「多彩にトレンドが着こなせる」点の発信に努めている。旬のトレンドでヤングを獲得しつつ、大人にも受け入れられる間口の広いアイテムを充実。多彩な着こなしも打ち出す。

 メンズ、キッズも強化中。国内の14~15年秋冬販売は、推定でレディスが前年同期比30%増、メンズ20%増、キッズ50%増と大きく伸び、企画の的中率も上昇した。「国内は集客、売り上げとも狙い通り」だ。

 海外は台湾・台北が日本カルチャーへの支持もあり、強みが伝わって成功しているが、上海は競合も多く、伝わり度が弱い。欧米企業が提案する女性らしいスタイルを好む人の割合も高い。しかし、「日本らしいバランスの良いデザイン、多彩な着こなし方=〝芸風の広がり〟が伝わればリピーターになってくれている」ため、様々な着こなしが楽しめる発信を強化する。

 国内店舗数は今春、300を超えた。今春、台湾に1店を出す。海外出店のスピードについて「遅いと言われれば遅いが、上海で収益化が見えれば、1年以内には十数出店へ加速したい」考え。グローバル戦略は、まず中国、韓国、東南アジアを攻め、その後、欧米に出す計画。

 売上高1兆円到達の時期については「タームは決めていないし、柳井正FR会長兼社長も明確に言わない」と笑った。



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